このレビューはネタバレを含みます
「燃ゆる女の肖像」の意味、視線が交わるとはどういうことなのか。
短い時間と限られた空間の中で様々な出来事を共にするうちに、初めは敵意を帯びていた関係性が変化してじわじわと恋愛感情が盛り上がっていく様子が丁寧に描かれる。
(トランプ遊びのシーンの侍女の前で示し合わせるような2人の笑顔がとても魅力的だった)
後半の劇的な演出にも心が動かされた。
特に村の祭りの時の、音楽とともに一気に展開が起こるパートにはすごく引き込まれた。炎の向こうの彼女は何を感じていたのかと考えずにはいられない。
エロイーズ役の俳優さんの目力と、常に激しい気性をありったけの理性で抑えつけているような演技がずっと素晴らしかった。
鑑賞後は圧倒されてすぐには立ち上がれなかった。こんな風に感性をビリビリと刺激してくれるような映画をいつでも待ち望んでいる。