緩やかさ

しあわせの百貨店へようこその緩やかさのレビュー・感想・評価

4.0
好き。

1959年のオースラリア、シドニーが舞台。
この頃のオースラリアってすごく豊かだったんだな。

百貨店の店内はもちろん、街中や民家から海辺のリゾートまで、美術の再現度、作り込みがすごいと思った。
特に衣装は女性も男性も素敵。

時代考証が実際どうかはわからないけど、映画って本当にすごい。

監督が「ドライビング・ミス・デイジー」を撮った方で、え 待って時代バグってない?となったけど、間違いじゃなかった。
御年82歳。デイジーが50歳の時で本作は77歳で撮った。現役バリバリです。

そしてとてもそんなお歳のベテランとは思えないほどビビッドな作り、感性が若いのか。

いや、人生のベテランだからこそ、この幸せに溢れた、善人しかいない世界が描けるのかな。

ブルース・ベレスフォード監督はオースラリア出身とのこと。舞台となる50年代は監督も多感な青春時代だったはず。
映画に描かれたような美しく豊かな時代だったのだろう。

登場人物がそれぞれ素敵で個性的で、中でもヨーロッパからの移民チームが大人の魅力と度量溢れる人生観の持ち主たちで心惹かれた。
マグダの夫のステファン、あんた人生何周目なんだ。大人の余裕がすごい。

オースラリア人で特に肩入れしていたフェイには幸せになってほしい、と思って見てたからこの展開は良かった。

フェイの告白を聞いたルディの対応、包容力に胸を打たれた😭

リサとリサのママ、そしてパパもいいね。愛が深い。

他にも魅力的なキャラクターがいるけど、一人ひとりに言及していくとキリがないのでこの辺で。

原題は「レディース・イン・ブラック」。
かっこいいし、しっくりくる。
邦題は映画の内容からすると違和感あるけど、幸せな気持ちにはなったからまあ良いでしょう。
緩やかさ

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