せりな

レ・ミゼラブルのせりなのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)
3.5
ヴィクトル・ユゴーのレミゼではなくて、舞台となった街モンフェルメイユの今を描いた社会派な作品。
貧困、格差、移民、宗教など現代の社会や政治に関する問題をリアルに描き、見たものに突きつけられるメッセージは現実から目を背けることをできなくさせる。
他のパリ周辺を舞台とした社会派の作品で、様々なルーツを持った人たちが暮らしていて日本のメディアが伝える様なおしゃれな白人の街が幻想だってことは分かっていたつもりだったけど、問題はもっと深刻で行き場のない閉塞感の中で彼らは生活しているんだなと思った。
ここまでリアルに現状を描いて、閉塞感の先に起こり得ることを描いている作品てなかなか無いと思う。
受け止めるのに精一杯な気持ちと、日本だって他人事じゃ無いという気持ち、世界中で同じ様な事が起きているという絶望感に襲われる。
この映画では絶望の先の微かな希望も感じられる。
その先にあるものを探したくなった。
せりな

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