もももももす13

レ・ミゼラブルのもももももす13のレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)
4.0
親を見て、周りの大人を見て、
子供たちは育つ。
その背中を追うのか、真逆に走ろうと足掻くのか、それとも蹴り壊すのか。
うぅ〜
下手なホラーより怖かったですよ。
日本のぬる〜い環境で育ったので、終始、新人ポマード君こと、ステファンと同じく、びっくり仰天。
あぁどうしたらいいの。
って思いながら観てました。

お金=(精神的、社会的)余裕
と言っても、もう過言ではないくらい。
お金が無い→劣悪な生活環境
と直結してしまう現代。

ドキュメンタリー風、と称すものの購入したパンフレットの監督インタビューでは、全て実際にあったことの数々なのだそう。
(ライオンも!まぁ、流石に1日でてんこ盛りではなかろう。笑)

ちなみに、本作のパンフレットちょっと残念。情報量少なめ。主要キャスト以外の俳優、特にイッサ役の子については記述がほとんどない。そこ知りたかったのに。主要キャスト以外は街で探したとは書いてあるけど。
イッサ役の子、とにかく、素晴らしかった。本名もイッサだった。

ラストシーンのイッサの表情とステファンの表情が凄い。
象徴的。
イッサの「じゃあどうしたらいいんだよ。」って言う顔...
ステファンのハッとする顔...

小さくて弱くて、大人に敵わない。
なのに守ってもらえないから、自分たちでどうにかしようとするけど、結局、「知っている方法」は、見てきたものしかない。
実力行使。

とにかく辛い。
ラ・ジリ監督が現状を忠実に描いた、誰が悪くて誰が善い、ではないと、言うように。
警察官はそりゃ横暴だしありえんけど。
ヤワにでれば舐められて何されるかわからない。と、この2時間観ただけで思ってしまうような現状だから、理解出来なくない。
だからあの態度だけど、もう止まらない負の連鎖。
なんの光もみえなさすぎて震えた。

映画上映中、緊張の糸が途切れない。
唯一。 
唯一、ふぅうって息つけたのが、
子ライオンが映るとこ。
死ぬほど可愛い(о´∀`о)
1分くらいで終わり。チーン。

映画中、大人といると笑わなくなる子供たちを観てるのが、なにより辛かった。

今すぐ、この状況はどうにかなるものではない。それぐらい複雑。
貧富の差、宗教、人種...
どうにかするのにとてつもないパワー(人、金、時間)が必要。

どうしたらいいんですかね。

日本も対岸の火事ではない気もしてます。

なんともなぁ...

最後の言葉が。重い。