【みゅーのレビュー】
2012/9/30
ケン・ローチ監督の作品、初鑑賞。
1つの家族を描いた作品。
フランチャイズのドライバーとして働く父。
介護福祉士として働く母。
そして息子と娘。
マイホームを持つことが夢で、家族のために1日14時間週6日働くリッキー。
アビーだって1日8時間以上働いてる。
家族のためにと思って働いているだけなのに、働いても働いても暮らしは楽になるどころか度々起こる問題に翻弄されていく。
社会的弱者のなかなか抜け出すことのできないその環境がとてもリアルに感じられた。
仕事をたくさんすれば家族との時間は必然的に削られていくし、どうすればいいんだろう。
思春期真っ盛りなのか反抗的で非行に走ってしまう兄。
「うるさいな黙ってろよ」的スタンスな彼だけど、夜突然仕事に行かなきゃいけなくなった母に対しみんなでバンで行こうって提案したり、無理して仕事に行こうとする父を引き留めようとしたり、本当はやっぱり家族が大事なのが伝わってくる。
ラストシーンはとても印象的で、何も解決はしてない、きっとこれからもそんなに変わらない生活なんだろうなと思うとやるせない気持ちになった。
邦題があんまりしっくり来なかった。意味合いは分かるんだけども。
不在票に書かれる形式的な常套句に、家族への想いを持たせた原題の方が好き。