突拍子のないことは起こらない。ただ、日常がある。若い2人が恋をする。たまたま同性だったからスムーズにはいかない。自分の気持ちのありようを受け入れるのに、葛藤し足掻く。でも言ってみればそれだけで、すごく真っ当な恋愛映画だった。
誰かにどうしようもなく惹かれる感情が丹念に描かれる。リアリティある日常シーンが重なることで、余計に覗き見してるようなドキドキ感。
心優しく、まっすぐなマキシムがとても素敵だった。鑑賞後に知ったけど、マキシムが監督自身だったなんて!グザヴィエ・ドランの末恐ろしい才能!!馬鹿騒ぎ幼馴染メンバーの、本当に何年も一緒にいたかのようなグルーヴ感、いい。小憎たらしいエリカは、ほんと抜群の小憎たらしさで◎。聡明なサラ、愛情深いマティアスの母、マキシムの力になる伯母、女性陣もみんな魅力的だった。
映像的な冒険は控えめだったけど、カットのつなぎ方がとてもセンスがいいと思う。マティアスが接待する弁護士ケヴィンの登場シーン、最高だったな。