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マティアス&マキシムのhrdのレビュー・感想・評価

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
3.8
繊細で静かな映像に、煮え切らない〜もどかしい〜しかしエネルギッシュ〜な感情が渦巻いている
登場人物一人一人が魅力的で、語ろうと思えばいくらでも語れるんだけど〜
マット、マックスに甘えすぎじゃない?
あなたの葛藤はよくわかるし、想像できるし、もどかしさもわかるけど〜〜
大事なことは何も言わず、傷つけても笑って誤魔化し、それを許してくれる相手の優しさに甘えてさ…
「抑えていた感情が溢れ出す」と言えば聞こえがいいかもしれないけれど、気まぐれに、雰囲気に呑まれて、欲情するのにそのあとほったらかしって!?
そこで逃げるの?!

そしてラストの「推薦状事件」(事件ですよ、あれは)。好きだからで許されることも限度があると、私は思うんですよ。
渡航する前にちゃんとビザが通るかとか、書類揃ってるかとか、あの事務手続きの不安さ!心許なさ!そんなマックスに対する、マットの行為って、自己中で無責任。「だってマックスいっちゃったら寂しんだもん!」じゃ許されませんよ。

あのシーンのマックスの感情は私たちは想像するしかないけども。
私は、かわいそうで見てられなかった。


そのあとひょっこり「えへへ」って顔だすところが、もう自分が許されることを折り込み済みよね???

きっとそれは打算ではなく、もうナチュラルにそういう人なんだよね。
愛されて生きてきてるからさ、素直に生きてきてるからさ…

対してマックスが不憫すぎる。愛情に飢えて、自分を殺してきた彼はいつも「ぐっ」といろんなことを飲み込んでいる。

マットの気まぐれな優しさと愛情にほだされて、振り回されていくの??
マットみたいな男やめておけ〜〜
友達だったらいいかもしれないけど…彼氏だったら…
うーん…これが愛なの?

しかし、こんなにナチュラルわがままガキンチョマットだからこそ、抑圧されて生きてきたマックスは好きなんかな。
自分にないものを持ってるから。


どうかマックスに幸あれ…
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