クマヒロ

マティアス&マキシムのクマヒロのレビュー・感想・評価

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
3.6
いつものドランらしい色、音楽、映像表現のポップな使い方、母親との関係性への固執を感じさせつつ、仲の良い友達同士でいることの多幸感と友情の上に成り立つ恋愛感情の複雑さ等さらに情緒に迫るような作品でした。

基本的にはドランの友達をキャスティングしたらしいことからくる、だべりシーンの自然さ、面白さ。気持ちの持って行き場がなくなった時に喧嘩してしまい、そこからの仲直りの仕方のリアルな潔さ。恋愛関係以上に友達映画なのだなと、ドランしか描けない先進的な部分も感じます。

特に関係性が決定的に変わるキスシーンまでとその前後はとても好きでした。二人の立ち位置や、ブランコ、川泳ぎ、ウォーターベッド等で感情が分かりやすく伝わってきて、観ていて心地よかったです。

感情と映像をがっちり一致させてみせるドラン節のようなものは感じつつも、2幕目からは冗長には感じてしまいました。
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