カフェオレ

マティアス&マキシムのカフェオレのレビュー・感想・評価

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
3.9
とても繊細な映画だった。
グザヴィエ・ドランの作品は『胸騒ぎの恋人』しか観たことないけど、登場人物が自分の感情に翻弄される様子はそれと少し被って見えた。

マティアスとマキシムやその周辺の人たちの感情を会話だけではなく視線や仕草で表現したり、音楽の使い方やピントを前に合わせたり後ろに合わせたりするカメラワークなどの表現方法もとても豊か。

ドランが『君の名前で僕を呼んで』に感銘を受けて製作したとのことだけど、あまり”同性間の恋愛”という要素が強調されていなくて、これが異性間でも成り立つような普遍的なものであると感じた。

特に面白かったのは「ケーキに火をつける」や「言葉警察」(観た人にはわかる)のシーンで繰り広げられる親しい友達同士の間にしか生まれないようなテンポの良い(というか各々が好き勝手言いたいことを喋っていて会話として成り立っていない)会話劇だけど、この友人達は実際のドランの友人をキャスティングしているらしく、それがよりこのシーンを面白いものに仕立て上げているのかもしれない。