べっさん

鵞鳥湖の夜のべっさんのネタバレレビュー・内容・結末

鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

半年ぶりに訪れた映画館でチョイスした作品は「大当たり」でした。

こういったノアール物はその世界観が好みかどうかがとても大きいと思うんですが、昭和の頃の日本みたいな雰囲気の、雑多で汚れ整理されていない街の雰囲気がどストライクでした。アスファルトよりも土の地面が多い感じとか、色んな奴らがたむろしてる感じとか。

見ている途中「やばい、この映画相当好きかも・・・」といいながらワクワクして観てました。
特に夜のシーンは真っ暗な場面は本当真っ黒で
街のあかりは派手なピンクとか青とか上手く色を使っていたように思います。

ボーイッシュでモデルの様なグイ・ルンメイは衣装から動作からホントこだわってスタイリッシュに撮られていたと思うし、編集の唐突な感じや見世物小屋のシーン、さらには血が傘に飛び散るシーンとか、非常に鈴木清順ぽいと思いました。

床のドカドカ音や銃声だけで、捕まったり殺されたりを表現するのは北野武ぽいのかな?

終始緊張感が続く中、エンディング近くの2人で麺をすする所はホンの束の間の幸福な時間だったのかもしれません。

願わくば、リウとヤン2人の女性がチョウの死と引き換えに手にした報奨金でこの先少しでも幸せに生きていって欲しい。そう感じた希望の見えるラストシーンでした。

ニコラス・ウィンディング・レフンの「Drive」にも似ているかなとも思えますが、僕は断然こっちの方が好きですね。
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