このレビューはネタバレを含みます
また変な映画を、、、。
ノワール纏ってるから緊張しつつ観てると思いっきり笑かしにくるし。全く油断できない仕様は『薄氷の殺人』も同じだからディアオ・イーナンの手癖みたいなものなのか。
それかコメディがノワール羽織ってんのかも。
どっちがこの人の本質に近いのかもうちょい作品観たい。
陰影や色彩はそれこそ元祖フィルム・ノワール作品や、ヒッチコック、果てはリンチっぽさすら感じるので作品の外見というか輪郭は異様にアーティスティック。
唐突にぶっ込まれるバイオレンスは北野映画みたいだし、その表現は三隅イズム。なにあのビニ傘の使い方。最高なんですけど。
好きなもののごった煮感は受けるんだけどイーナン色で煮しめてみるとちゃんとワケのわかんない味になっててとっても美味。
ダンスフロアが前作に続いて登場してダサ味が前作を軽く凌駕してんの何?(いや実際そうなんだろうけど)。
あと水俗嬢ってのもすごい(いや居るんでしょうが)。
と言った感じで、中国のど田舎ならこんな事ありそう、、、というこちらの未知の土地へのファンタジー渇望も満たしてくれるのも良い。
でも金入れたら歌い出す首だけババアは居ないよな?頼むよ。
グイ・ルンメイ素晴らしかった。
前作のような定型的ファムファタルも良かったけど今作みたいなゲスいのもとても良い。
ゴックンはしてくれないんだ、、、とか、そこからタバコ出すの?!ってとこは声出しそうになりました。
早朝の横浜シネマ・ジャック&ベティで高齢の方々に囲まれながら鑑賞したっていうのもポイント高い。ただでさえ好みのタイプだったのに、良い記憶と紐付けされて大好きな一本になった。
追記
『薄氷の殺人』は夜・雪→ラスト昼・曇天
「鵞鳥湖の夜』は夜・雨→ラスト昼・曇天