2023/7/14
ベルギーに暮らす13歳のアメッド。イスラム教の教えにかぶれているものの、少し前までは普通のゲーム好きな少年だったよう。きっかけとなった出来事は描かれないけれど、放課後クラスのイネス先生への拒否反応は反抗期にも中二病にも見える。が、アメッドが一線を越えた時、そんな可愛いものではないと思い知る。父親は家を出ていて母親はアルコールに依存、兄弟仲は悪くは見えないもののアメッドなりの孤独を感じていたのかもしれない。そんな彼を救ったのがイスラム教だったとしても、13歳の少年を暴力的にさせる教えはやっぱり問題。と同時に、母親は元の息子に戻ってほしいと言うだけでなく、息子が変わった理由を考える必要があったように思う。絶対に、何かしらのきっかけはあるのだから。ラストの謝罪が、心からのものなのか形だけのものなのか、アメッドの本心は分からない。ただ前者であることを願うのみ。
