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ANNA/アナのgnspのレビュー・感想・評価

ANNA/アナ(2019年製作の映画)
4.0
自粛明け一発目はコレを観に行け!!!!

とにかくビジュアルに振り切って「魅せる」女スパイ映画。
観ていてひたすらに「美しく」、そして「楽しい」!


超褒めたいので、あえてまず先に苦言から。

行動の経緯を隠すためだけにあるしつこい時系列移動と余韻のイマイチさは非常に引っかかる。

時系列移動に関しては、観客を惑わそうという意図も特になく、ただ観客の立場だと唐突に見える行動の経緯を説明するだけのものなので、かなり物語を「見せられている」感が強くてイマイチ。
特にあるシーンの行動で「その理由」を説明するだけにスポット挿入させたのは、さすがに流れを無視しすぎて無理矢理だった。

余韻はもう「そこまで来て予算尽きたんですか!?」と言いたくなるほど。現実味がなくてもいいから最後はスカっと振り切ってほしかった。


だがそれをもろともせん程にビジュアルが良すぎた。
良すぎる。

モデル体形っつーかモデル兼業しているサシャ・ルスがアクションするってことはもう「無敵」よな。

鮮血に塗れた純白のファーコートを脱ぎ捨てて、黒いレザー姿で無双していく格闘シーンはまさに「クールビューティ」、たまらなかった。
これ87/Eleven絡んでるのかな?と思うくらい。「アトミック・ブロンド」の「女性」としての立ち回りとはまた違う、少々ファンタジーも入った無双ぶりだったけど、見たかったのはこれなんですわ。
とにかく魅せる画づくりにやられっぱなし。

なによりさすがモデルのサシャ・ルスなだけあって、どんな服でどんなカツラ被ってもまあ美しい。画面映え最強。
っつーかモデル役でモデル出したらそりゃ良いに決まってるぜ。ズルいけど許せる。

モスクワ・パリ・ミラノを股にかけているのもあってか、景観も美しい。
序盤のカーチェイスが急ハンドルするだけの単調なものだったのに、景観のおかげで画づくり的にはマシなものになっていた程にね。

そんな「アクション」と「美しさ」がシンクロするのは、要人を56しまくるダイジェストシーン。
音ハメ要素が多分に含まれていて、「ベイビー・ドライバー」的爽快感もあり、様々な56しかたを魅せる良さもあり、そしてアナが様々な出で立ちで56していく絵的な美しさもあり。
ここは特に印象に残った良いシーンだった。

ヘレン・ミレンの食えないボスババアっぷりと、それによる近からず遠からずの良い子弟関係も良い。
彼女との関係が濃くなるに伴って、ルーク・エヴァンス演じるスカウトの子弟関係が薄れて、「男と女」であり始めているけどあくまで子弟…という複雑な関係に萌える。
そこに現れるキリアンは言わずもがな最高。
無垢なガールフレンドでレズみも少し補給できるぞ!


エンディング曲が007的テイストを持っていることからも分かるように、あくまで「スパイ」要素を強調したい映画だから、「アクションマシマシでスカっと」系に振り切ってるわけでないからな!
そこだけ注意な!

注意した?オッケー、美しい殺しのショーを魅に行こう。
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