くまくま

ANNA/アナのくまくまのレビュー・感想・評価

ANNA/アナ(2019年製作の映画)
3.0
予想よりかなり楽しめた作品。
物語的にはどこかで見たことがある女性スパイの物語だが、知性がある強い美人が戦い、傷つき、それでも成長していく話は好き。
 時間軸が戻ったり進んだりを繰り返すことに不自然さを感じる場合は問題に対する答えが提示されていると思えば何とかなるのでは。

 主人公アナは一見、男や組織に搾取されているように見えるが、経験を重ねるにつれどちらも信用せずに現状を変化させる手段として活用していくたくましさに好感が持てる。
状況に流されているようでも最後まで「意思」を持っていることで自分であろうと足掻く姿が愛おしい。
 最初の戦いに赴く時に白いコートも良い。
返り血に彩られたアナと白との対比がもう今までの世界に戻れないことの暗示のように思えた。

 自立しているアナの上司のオルガやアナ達女性陣との比較で男性陣のクズぶり際立つ。
アナの元カレ・ペーチャのクズぶりは分かりやすいクズ男だったが、KGBのアレクセイもCIAのミラーもアナとの間に2つの「こうい(好意と性的行為)」を持ちながら目的達成の手段としてアナを利用していることを「組織」を言い訳にしている綺麗なクズ男だと思わずにはいられない。
スパイだから仕方ないのだろうが、距離感が近づく場所が隠れ家・クローゼット・物置だったことが象徴的。 

 主人公サッシャ・ルスの美しさを筆頭に画面は非常に華やか。
さすがのヘレン・ミレンの存在感。
抱きしめてもらいたいルーク・エバンス、蒼い瞳の美しさが危険なキリアン・マーフィー。
(個人的にはアレクサンドル・ペトロフのちら見せお尻はご褒美でした)
アナのモデル仲間で彼女のモード役のレラ・アヴォヴァの美しさとキュートな魅力は特筆すべき。
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