アニエス・ヴァルダによる自身の作品の解説。そしてこれが遺作となった。
キーワードは、ひらめき、創造、共有。
作品を成立させるのにひらめきは必要だが、それだけではない。与えられた条件の中で、制約を逆手にとって創造する。また、自己満足ではなく、見てもらうことも重視する。
この作品の構成もそうだが、彼女の場合、リアルに見えるドキュメンタリーも緻密に組み立てられ、演出が施されている。
天才的な映像センス、人情家というだけでなく、インテリで(良い意味で)計算高く、とても頭の良い方だなあと感心。
そして彼女は何より人に関心があり、市井の人々の暮らしに関心がある。そこがゴダールとの違いか、などと思う。