他のレビューでも書かれてたけど、BLの枠を超えてる作品。ストーリーの重厚感が凄くて惹き込まれる……。
大軸はヤクザという大きな題材。それに極端な性的嗜好、性的暴力やネグレクトな家庭環境と、『マイノリティー』が詰め込まれた主人公の矢代。
どこか共感できる寂しさを持つ彼は、哲学的であったり、快楽主義であったり、色っぽくも気品があり、とにかく魅力的なのは言うまでもない。
原作の漫画では、1コマごとの心理描写が抜かりなく、空気感や複雑な心の内、細部まで受け取れるよう完璧に出来上がっていた。
映像化したことによって、細部の情緒は多少削られたように感じた。しかし一方で音楽の雰囲気作りが素晴らしく、この作品の世界観は昇華していたように思う。
泣けるシーンはより泣けると思う。愛的な恋的なギュッとなる描写は漫画の方が心揺さぶられた。
あと声優陣が忠実な再現というか、特に矢代はこの声以外あり得ないだろと思うほど合っていた。
漫画を読んでてもこの声で再生されそう。
あくまで漫画を読んだ方が楽しめるとは思うけど、やっぱり作品自体の凄みがあるので私は評価が高くなっちゃうな…と。
難しい作品だけど、ここまで世界観保って作っているの相当リスペクトあるように感じます。
次作も期待。