りま

プライベート・ライアンのりまのネタバレレビュー・内容・結末

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

今まで観た戦争映画で1番怖かったかも。ホラー映画を怖いと思う事はないけどこれは観てて辛かった。銃声と爆発の音を聞いてると胸が苦しくなってくる。福島の津波の映像見て気持ち悪くなる人の感覚が分かった。やっぱりスピルバーグ監督は凄い。
ライアンに会った時、責任感の有る好青年で良かったと思う反面、こういう盲目的な忠誠心丸出しの田舎の馬鹿共の世論のせいで戦争が長引いたり泥沼化したのかとか考えて複雑な気分だった。無知って怖いよね。戦争で儲かるのは上澄みの人だけなのに、利用されてる情弱の捨て駒風情が「誇り」とか「名誉」とか階級つけて偉い気になって踊らされて鹿馬鹿しい。一人の青年を救うために何人もが犠牲になったり、たかが橋1つ死守する為に命を賭したりもう戦争がどれだけ非生産的で無意味かを痛感する。それらを分かっていながら教師としての矜持もあってかライアンを救うという事だけに救いを求めてたトムハンクスが人間らしくて切なさを誘って良かった。
トムハンクスは最後、何とかライアンを守ろうと無謀にも戦車の前に飛び出して行ったのかと思ったけど、少し死にたいって気持ちもあったのかな?死んで手の震えが止まった描写を見てそんな気がした。クリント・イーストウッドみたいに兵士や戦争を美化する描写が無くてとても良かった。昨今のプロパガンダに対抗する作品として良いのでは?カッコイイ兵士なんて幻想で、死に際は「ママ〜〜!!!死にたくないよ〜!」って誰しもがなるし、学無しのイキリヤンキー上がりの兵士は上官や通訳の弾除け要因で、家畜より酷い扱いだって分かるから。
りま

りま