chinsuko

プライベート・ライアンのchinsukoのレビュー・感想・評価

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)
5.0
スピルバーグ監督が「シンドラーのリスト」に続いてオスカー監督賞を取った本作。
特筆すべきはやはりノルマンディ上陸作戦の地獄絵図で、戦争描写の歴史を塗り替えてしまったと言える。「シンドラーのリスト」から撮影を手掛けるヤヌス・カミンスキーの功績が大きい。
初見時は本当に震え上がった。特に好きなのはトム・ハンクス演じる大尉が映った時、耳を塞がれた様な籠った音響となり、意識朦朧を表現しているであろうと思われるところで、「どうせやられないだろ」と思いがちになる観客心理を打ち消す様なリアルな演出と捉える事が出来る。
また、大尉がライアンに最後の言葉を告げる時、大尉に去来するのは部下への思いであり、ライアンが年老いてなお去来する思いに通じているところの演出が見事である。

「フェイブルマンズ」で撮る自主戦争映画で本作への片鱗を描くところも良かった。

最後に、本作に出演したトム・サイズモアさんのご冥福を祈ります。
chinsuko

chinsuko