ともぞう

プライベート・ライアンのともぞうのレビュー・感想・評価

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)
4.5
戦争を描いた映画は多々あれど、リアルな戦場を体験できる映画としては間違いなく三本指に入る作品だと思う。それくらい、最初30分の戦闘シーンは凄いの一言。軍上層部の体面を保つために生死も定かでない1人を救出するために、8人の部隊が投入される。戦争の理不尽さをしっかり描写した名作。救出されたライアンは長く生きる。そして、一生懸命に生きたことをミラー大尉の墓に報告する。戦争、善悪、生死について様々な思いが巡る。

〈あらすじ〉
時は1944年。第2次世界大戦の真っ只中、米英連合軍はフランス・ノルマンディのオマハビーチでドイツ軍の未曾有の銃撃を受け、多くの歩兵が命を落としていった。戦禍を切り抜けたミラー大尉(トム・ハンクス)に、軍の最高首脳から「3人の兄を戦争で失った末っ子のジェームズ・ライアン2等兵を探し出し、故郷の母親の元へ帰国させよ」という命令が下った。ミラーは古参軍曹のホーヴァス(トム・サイズモア)、2等兵のレイベン(エドワード・バーンズ)、カパーゾ(ヴィン・ディーゼル)、メリッシュ(アダム・ゴールドバーグ)、名狙撃手ジャクソン(バリー・ペッパー)、衛生兵のウェード(ジョヴァンニ・リビジ)、ドイツ語が話せる実践経験ゼロのアパム(ジェレミー・デイヴィス)を選び、落下傘の誤降下で行方の知れないライアンを敵地の前線へと探しに向かう。彼らは廃墟の町で攻撃を受け、ひとり、ふたりと銃弾に倒れていく。なぜライアン1人のために8人が命をかけなければならないのか? とレイベンが怒りを爆発させた時、ミラーはライアンを探し出し妻の元へ帰ることが自分の任務だと淡々と語り、離れかけていた皆の心をまとめあげる。前線へ進むうちミラーたちは空挺部隊に救われるが、その中にライアン2等兵がいたのだ。兄たちの死亡と帰国命令を知ったライアンは、戦友を残して自分だけ帰国することはできないときっぱりと言い放つ。ライアンの意思がミラーたちの心を捉え、共に踏みとどまりドイツ軍と一戦を交えることに。乏しい兵力、装備という悪条件の中、仲間たちは次々と銃弾に倒れ、ミラーも爆撃を受け死んでしまう。ライアンに「しっかり生きろ」と言い残して…。時を経て年老いたライアンは、ミラーの墓地の前で彼の言い残した言葉を、再びかみしめるのだった。
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