焼きぷりん

フリー・ガイの焼きぷりんのレビュー・感想・評価

フリー・ガイ(2021年製作の映画)
4.7
オンラインゲーム・フリーシティで不自由なNPCのガイ。毎日同じことを繰り返す生活を送っていた。そう、彼女と出会うまでは…。青いシャツのモブキャラが、恋をして世界を救うヒーローになる物語。

ゲームとリアルの二軸構成。序盤は物語の展開の仕方に疑問を抱いたものの、すぐに気にならなくなる。二軸が交差する話なのに、複雑なグダグタがほぼ無く、テンポが凄く良い。それでいて密度は濃いという不思議。

NPC革命。それまで背景だった者たちが生を謳歌し始める。世界の真相に気づいたガイが親友に相談するシーンが心を打つ。その後のガイの行動とセットで、メッセージ性もバッチリという感じ。自分の意思で行動を起こせば、誰もが物語の主人公で、そこがリアルになるんだね。

恋愛要素。前半はガイの"恋は盲目"的な感じが、後半は甘々な感じが凄く良い。ゲーム内ではなく、リアル側の恋愛の方は予定調和だけれど、それはそれで悪くない。

フリーシティ。暴力的で何でもありなオープンワールド。この世界観は『GTA』というよりかは、もっと混沌とした『セインツロウ』のよう。ちょいちょいゲームや映画の小ネタを挟んでくる。『ポータル』って知る人ぞ知る系のゲームだと思ってたけど、もしかして案外有名作…?

良いところを書き出せば結構キリがない。ちゃんと面白くなるツボを押さえており、全体的に高水準な作り。本編のその後の物語が気になってしまうくらい楽しかった。『良い1日ではなく、素晴らしい1日を!』。
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