リッジスカイウォーカー

フリー・ガイのリッジスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

フリー・ガイ(2021年製作の映画)
4.5
Disney+、STAR配信一作品目はこちらをチョイス。
中盤まではゲームの世界を映像として落とし込んだ内容で、マトリックス、レディ・プレイヤー1の二番煎じ感は否めんなーと思いながら観ていたんですが、モブキャラの決起シーンからグイグイ引き込まれた。

これはバーチャルな絵空事の物語ではなく、アメリカなど他の国で起きていることでもなく、日本のリアルにも繋がってる!


今日のTVのニュースで、昨日の選挙になぜ行かなかったのか?というインタビューを若者にしていた。

選挙で一票を投じても何も変わらない。
選挙に行かなくても、誰かが決めた内容で世の中は進む。
政治のことがわからないし、知らないからそんな人間の票は入れない方が世の中のためだと思う。

数人の意見ではあるが、結構代弁したものなんではないかと感じた。言っていることもとてもわかる。

この映画のモブキャラが言っていたセリフは、この若者たちの意見と重なった。

世の中はもうこうなっているんだから、何も変えられないよね。と。

でもフリーガイは言う。
そんなことはない。
世の中は変えられる。

変化には痛みが伴うし困難もあるけど、その先に変えたい未来があるならば、それは手に入れることができるんだ。

この輝きに満ちたメッセージ、インタビューを答えていた若者たちに届いて欲しい。

世の中が変わらないなら、不満はあるけど現状維持で楽しい時間が過ごせればいいと諦めにも似たこの状況を変えるには、フリーガイのように先導するアイコンが必要だとも感じた。


結局声を上げなければ、行動を変えなければ、世の中は悪くなる一方なのだ。
ルールを決める人たちの掌の上で、我慢して生活をしなきゃいけなくなる。
この変えようのない事実にみんな気づいて、みんなで社会を良くしなければ、ディストピアへまっしぐらだ。

昔では考えられないようなテロ行為が実際に起きていて、これは今の社会が生み出した産物なのだと思う。
人生に絶望する人が増えることによる凄惨な事件はもう現実に溢れている。

ゲームのように明確なゴールはリアルにはないけど、だからこそこの作品が放つポジティブなメッセージは胸に刺さった。


そして笑えるところも満載。
マーベルのパロディや、ロックバスターの登場、ボイスチャットはそのまま現実の会話が反映されるというママへの悪態は爆笑したww

ディズニーが絡むからこそ実現したあの武器の登場はズルイよw
言わずもがな大興奮だし、殺陣も完全にそれだしさww


奇しくもFacebookが社名をMETAに変え、メタバースに注力していくという発表がされたこともあり、本作のメタバース要素は3〜5年後には、世界に浸透しているかもしれない。

そんなこともあり、SFとは手放しで言えないリアルさも良かった。


そして映画のラスト、爽やかでシンプルなラブストーリーに落とし込まれていたのも良い。

人工知能がポジティブに学習し、人間の生活を豊かにするという存在として描かれているのも、ターミネーターのスカイネットや、マトリックスとは真逆の世界観でほっこりした。

要はAIを良くするのも悪くするのも、それを作ったりコントロールする人間の人格によるのである。


だから世界を良くしたり、多くの人類が幸せを感じる生活が送れるようになるかどうかは、やはり僕らの考え方行動次第なのだ。