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トムとジェリーのEDDIEのレビュー・感想・評価

トムとジェリー(2021年製作の映画)
3.8
実写とアニメーションの見事な融合。ハプニングの連続にクロエの困り顔がキュート。
やってることは滅茶苦茶だけど、トムもジェリーもあざと可愛い。
「みんな仲良くしよう」な子供向けメッセージも伝わりやすい。ただ新郎アホすぎだろ。笑

いやー、思った以上に楽しめました。
そもそもの期待値が低かったのもありますが、トムとジェリーの往年のドタバタ劇が実写と融合することでこれほどまでにリアルに感じるのかと。
ストーリー自体は王道で、それこそやり尽くされた内容ではあるんですけど、個人的にはトムとジェリーを絡めたハプニングや往年のアニメーション演出の楽しさ、物が壊れたりニューヨークをスケートボードやドローンを使ってチェイスするシーンの迫力など、これらを観るだけで劇場で観る価値は十分にあるかなと思いました。

トムとジェリーにさほど思い入れがあるわけではないんですが、やっぱり子供の頃彼らの追いかけっこを楽しんだなんとなくな思い出はあるしで、観てると自然と笑みが浮かんできました。
まぁやってることは滅茶苦茶で、迷惑極まりないんですけどね。

キャストも主役のケイラにクロエ・グレース・モレッツってのが絶妙だなと。コメディ映画での彼女は表情が活き活きしてました。
さらに本作で彼女と対立するマネージャーのテレンス役にマイケル・ペーニャ。『アントマン』などでお馴染みですが、彼が出るコメディ映画は面白さが保証されてますよね。
私が本作を観ようと決め手になったのがホテル支配人のドゥブロー役のロブ・ディレイニーです。『デッドプール2』でなんの特殊能力もないのに地味に大活躍するピーター役として笑わせてもらいました。本作では一見真面目で世間体を気にしているホテルの責任者という立場でしたが、セリフの一つ一つがユーモアに溢れていて最高でした。といっても吹替だったんですけどね。

今回は大人気のセレブカップルがホテルで結婚式を挙げるというメインストーリーがあるんですが、そんなセレブカップルの新郎ベン(コリン・ジョスト)があまりにも低脳すぎて全くスターの雰囲気を感じなかったのが残念ポイント。
ホテルが「失敗できない!」と息巻くぐらい大物カップルなわけですから、彼らのスターたる振る舞いの一つや二つぐらい見たかったものですが、ホント最初から最後までただのアホキャラ扱いという…。

まぁ突っ込むところはあげ出すとキリないんですが、それよりも現実世界にトムとジェリーをはじめとした動物たちがアニメーションとして共存している演出が、どうやって撮ったんだろうと思えるぐらい見事なのは拍手もの。
そもそもジェリーが余計なことしなければ、本作のハプニングは万事解決ですからね…。

種族や人種関係なくみんな仲良くしようっていうメッセージは子供向け映画と考えると凄く伝わりやすいし、十分にこの作品が生まれた価値はあったのかなと感じました。

※2021年劇場鑑賞32本目
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