子供をつくれない夫婦と育てられない中学生、両者の立場から描かれる苦悩や覚悟、葛藤に強く胸を打たれ涙腺を刺激される場面ばかりだった。
栗原夫婦を演じた永作博美さんと井浦新さんがとても素敵で素晴らしかった。お互いを思いやる優しいやりとりやどのような思いで特別養子縁組を望み日々息子を育てているのかを切に感じる。
望まない妊娠については深く考えることもなかったから本作を通してとても切なく苦しく恐ろしく簡単に抜け出すことが出来ない苦悩をひしひしと痛感させられた。ただただ残酷すぎて辛い。
ドキュメンタリーのような描写と「あん」でも印象的だった草木や自然の景色が美しくて印象に残る。
エンドロールの最後の演出がとても良い。あのセリフに今までの全てが救われた気がした。