このレビューはネタバレを含みます
各メディアのインタビュー記事やインスタライブでのトークなど、プロモーションの内容をほぼ全部入れた状態で鑑賞。ただし原作は未読。
鑑賞前は、血が繋がっていなくても、育ての親との絆は繋げるし、特別養子縁組によって家族を作ることができるのだというストーリーなのかと思っていたが、それだけではなかった。
栗原夫妻の苦悩は、現代社会に数多く存在するもので他人事とは思えず胸にずっしりくる。
自分とは全く違う世界に住む、片倉ひかりや友人たちの苦悩には、はっとさせられる。
実母のコノミが、特別養子縁組により育ての親となる人々に対し「すべてを手に入れようとしている」と表現したのがショックだった。
特別養子縁組をして、育ての親にこどもを渡せばすべて解決、ではない。
実母の心情も丁寧に描かれていた。
河瀨直美監督は社会問題を扱ったつもりはないと思うが、生きづらいと感じている若者たちが、幸せに生活できる国になるにはどうしたら良いのか、と考えずにはいられない。
似島のシーンでカランコロンと鳴っていたのは何の音だろう。