このレビューはネタバレを含みます
◆これは『カイジ』ではないのかもしれない
3作目にしてオリジナル脚本。なんだけど、正直「どうした?」と言いたくなる出来。
カイジはクズで甘ちゃん、だからすぐに借金漬けとかのピンチになって、でも追いこまれると驚異的な博才を発揮して危機を脱して仲間も救う、というのがお約束。なんだけど、今回は国家権力との対決になって、カイジが正義の味方、ヒーローになってしまった。カイジが救ってきたのは自分と自分のまわりの数人だけだったのだけど、今回は勧善懲悪になってしまったので、不特定多数を救ってしまってなんだか今までと毛色が違うな・・・と思ってしまう。カイジってもっとクズだよね?
あと、「ファイナル」だけど兵藤との対決は決着しないし。原作と違ってもいいから、帝愛との因縁にケリをつけてほしかったなあ、と思う。
カイジの博才発揮シーンも、ギャンブルの尺が短くて「積み重ねてきた論理(ロジック)」(by黒崎)が感じられない。ラッキーガールの関水渚も運だけキャラなのかと思いきや、ちゃんとハンドサインを送っていて機転が利いている。全然運だけじゃなくてキャラ設定が生きてないのでは??