ふくろう

Winnyのふくろうのレビュー・感想・評価

Winny(2023年製作の映画)
4.8
実話裁判もの。歴史の教科書で知ったのでも映画が上映されるからと調べたのでもなく、直接報道されてるところを見ていた事件は初めてかもしれない。

ナイフを作った職人をそのナイフが殺人に使われたとき罪に問えるのか?という命題。
この映画はもちろん使用者の悪用と開発者は別物だという軸で進んでいくのだけども
ナイフは食事のための道具だが、拳銃は?原爆は?作れるから作りたいから作っただけで済まされるのか、結果として人殺しに使われることは想定し得るはずでどこで線を引くのか、なかなかに難しい問題。
漫画村やUploaderなんかと同じなのか??

最近、web3.0 って名前で“新しい”インターネットとしてまた胡散臭く広まりだしたP2P。個々のコンピュータが高性能になっていけば当然出てくるというかインターネットの起こりから考えればコンピュータをつないでデータや計算を共有するってのは、何万回と繰り返されてるインターネットそのものとすら言える発想で、Winnyのようなソフトはどこかで必ず生まれたはず。Winnyはコンセプト云々よりも操作性や速度、匿名性に優があって広まったものだと思うので、金子氏だけに責があるといえるのだろうか。
ネットワークについて考えたら少なくない人が思いつくアイデアを一番うまく形にした人だけが捕まるのか。
なぜ、二番目三番目の逮捕者が出てこないのか、当時から子供ながらに疑問に思った事件だったので面白かった。

愛媛県警の事件が割と投げっぱなしで終わったのが少し残念。どうやって絡み合って終わっていくんだろう?って思ってたら、どっかで影響与えてたかもね?ってふわっと終わったので、それならそれでもいいけど、あっちの結論も教えて欲しかった。