ユウト

Winnyのユウトのレビュー・感想・評価

Winny(2023年製作の映画)
3.5
エンドロールで金子勇さん御本人を初めて見た。
劇中の東出昌大さんが演じた(挙動不審者のような)金子勇さんではなく、会話やコミュニケーションも自然にできる人だった。

本作の金子勇さんを演じた東出昌大さんの演技が(斜め上を見るところや狼狽するところ等)田中圭さんの演技に見えてしまった。
東出昌大さんはもともと声が高い人だが、演技でもそのトーンにしたのは御本人に似せたのかと思ったが、エンドロールの御本人の声はハイトーンではなかった。
この演技指示をした監督の意図はなんだろうか。

天才と〇〇は紙一重。
金子勇さんは天才プログラマーだが世間には疎いという表現のために、サンマの食べ方を知らない・オレンジジュースと菓子が食事・蔓延の漢字も分からない等等のエピソードを納得させる演出が、その東出さんへのバカっぽい演技になったのだろうか。
それなのに東出さんの髪型は綺麗に整えている。
金子さん御本人は伸びた髪そのままといった無頓着なイメージ。
役作りの違和感が消えない。
(私は東出昌大さんをデビューの頃から見ている。
本作はなぜこんな滑稽な演技をしているのか不思議な感覚だった。東出さんが田中圭さんに化けたと眺めていた。
先日観た『福田村事件』の船頭の役は男の色気が溢れていて、村の女達が寄ってくるのも分かる存在感で自然な演技だった。)

弁護士役に三浦貴大さん。
三浦さんはこないだ観た『愛にイナズマ』はセクハラパワハラ野郎だったし『夜明けまでバス停で』もそうだった。
私の中では、彼が映画に出てくると(イヤな奴の役)としか見られなくなった。
本作は度付きメガネをかけていて、目がお母さん似なんだと初めて気が付いた。
彼の演技の見せ場に期待したが、吹越満さんや渡辺いっけいさんの面白さを超えられなかった。

興味深く観たが、キャラクター描写や裁判劇など全体として中途半端で残念。
(野村芳太郎監督は大胆だが、裁判劇と人情ドラマのまとめ方が上手だったと思い出した。)
吉岡秀隆さん演じた正義感を主張する警官は、窓ガラスを破損されたままの描写で終えて、いいのだろうか。
正義を信じる警官を救う場面を描けなかった理由があるのか。
ユウト

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