自分もインターネット創世記からコンピュータを触ってきた世代、Winnyにもお世話になった人間だ。
当時、音楽のCDは買うものでもなく借りるものでもなく、『ネットから拾うもの』だった。買うまでもなく、ネットで検索すれば、誰かしらがアップロードしたCD音源のデータが、簡単に手に入ったのだ。
今よりも回線速度がすごく遅い時代。12曲ほどのCDの全曲をダウンロードするのに結構時間がかかった。散々待った挙句、データが壊れてて1曲どうしても聴けなかったりして、クソって思っていた。
速いインターネット回線を契約している友達が、誇らしげにそのCDを焼いたものを貸してくれてたりした。
音楽を作る立場にとっては、たまったもんじゃないだろう。
新しい技術や仕組みができるとき、必ずそれを悪用する人や、それによって損害を被る人が出てくる。それを取り締まるルールができる。またそのルールを掻い潜り私欲を満たそうとする人が出てくる。またルールができる。
それの繰り返しだ。
誰かだけがその全ての責任を負うことは、はたして正しいのだろうか。
東出昌大さんが演じた金子勇さんしか知らないがのが恐縮だが、研究心が旺盛な、一技術者だったのだろうと思う。
自由な発想力や、探究心が侵害されない世の中であって欲しいと願う。
