Winnyの事件については、殆ど内容が判っていなかったので勉強になりました。この金子氏のような人が、自由に楽しんで活躍出来る素地が、日本にはあんまり無いように感じます。結局ソフトや開発者が悪いんじゃなく、使う人間の側の問題。世の中で使用されている文明の利器は、須らく凶器にもなり得ます。そういった普遍的真理から目を背け、開発者を魔女狩りのように捕まえる。官憲は怖いですね。結果無罪を勝ち取っても、失われた時間は戻りません。それが惜しいと思う。
この監督さんも、愛媛県警の裏金事件をサイドストーリーとして走らせていますけど、ダイレクトな批判はしていない。やっぱ公権力は怖いんですかね。
役者さんが上手で、ビジュアルをワザとカッコ悪くしてリアリティを出している感じ。三浦貴大さん、和田正人さん、皆川猿時さん、皆良い。吹越さんのキレ者感も良いですね。でも何と言っても東出昌大さんだよな。件の騒動によるイメージダウンで表舞台から消えてしまったけど、この映画での芝居は、上手だと感じた。これはこれで惜しいとも感じた。不世出の名優とまでは言わないけど、ちょっと勿体ないね。
