依子

性の劇薬の依子のネタバレレビュー・内容・結末

性の劇薬(2020年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます


全体的に言うなら、シルクラボさんの女性向けAV作品を何倍にも良作にして映画にした感じ。
原作がBL漫画だから仕方ないけれど、ストーリーは割とベタ。何より登場人物が闇堕ちした理由が親の事故死と恋人(男)の自殺という究極にベタベタだったし、展開も読めた。あと恋人くんが自殺した理由はほんまに謎。ホスピス医しっかりしろ~💦
映画あるあるかもしれないけど死ぬ直前に追いついて助けるってパターンが何回かあった。わざと繰り返してるのかもしれないけど、最初の1回だけでいいかな。個人的には最後助けて恋人になってハッピーエンドより死んでバットエンドでもよかったかなって思う。(まぁ日本人はハピエンを好む傾向があるし後味はよかったかも)
ていうか拷問からいちゃつきだす()までが急展開すぎて意味がわからない。もう少し葛藤とか色々聞くとかないの?時間の都合?主人公の心の動きをもう少し描いてほしい。私が読み取れなかっただけかもしれないけど…

演出に関しても割とベタな技法が多かったなーって感じ。定期的に使われてた口笛がちょっと耳につくし、その口笛のメロディについては結局解説がなかった。エキストラが主人公を嘲笑うシーン、主人公の気のせいでしたってネタばらしのシーンが薄いので本当に主人公がエキストラに爆笑されてるだけになってた。そもそもあそこまでの爆笑は違和感ある…急に別世界だった…
あと余田の恋人くんが自殺してましたのシーンについてはめちゃくちゃ文句言いたい。部屋の中なのになんであんなに大雪のごとく花びら散らしてんの??季節を示すにしても数枚でよかったし、春である必要もない。心の中でつっこみながら見てしまった。なんか遺体の前に立ち尽くすシーンもなんか綺麗すぎて違和感あったし、なんで劇薬が遺品なの?恋人くんはそれ飲まずに違う死に方したの?それとも余田もこれで一緒に死んでって意味だったの?じゃあ死んであげなよ←

役者さんはセミプロから募集した割によかったんじゃないかな。セリフの滑舌や棒読み感はちょくちょく気になる所はあったけどまあ見れたし、顔もボディも普通に綺麗。ただ、なぜか攻めの方が体綺麗だった。イケメン医者と冴えない男って設定だとしたら主人公くん最初の方イケイケだったしな……
それから余田くんのキャラが定まってない感じが時々した。これは役者の喋り方のせいか脚本のせいか原作のせいかわからないけど。口調や言い方に時々違和感があった。

カメラワークは全然違和感なく見れたかな。割とギリギリまで写してくれて、変にぼかされるよりは見てて楽しかった。というかピンクなシーンは演出も流石ですねって感じ。数も含め腐女子の需要には充分に応えた内容。満足感ありました◎
本当にシルクラボさんで発売されてそうな感じだったので、映画として見ると言うよりはハイクオリティな長編AVを見る感覚で見たらいいのかもしれない。BL漫画や女性向けAVとしては非常にエモくて萌える良作だと思います。

作中で主人公が夢中で貪るラーメンとチャーハンと餃子が美味しそうで中華が食べたくなりました。
依子

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