スーパーエイプマン

宝島のスーパーエイプマンのレビュー・感想・評価

宝島(2018年製作の映画)
5.0
これ、ホントに凄かったです。
序盤、水場に侵入しようと川を渡る子どもたちを後ろから捉えたかと思うと、次のカットは彼らがまさに水場に辿り着いた瞬間を待ち受けていたかのように前方からパンで捉えていく。
劇映画のような繋ぎ方であるのに加えて、被写体たちもカメラをほとんど意識しているようには見えない。どこまでリアルでどこまで演出なのか不明なこの非常に不思議な浮遊感は監督の『女っ気なし』にも共通しているとおもう。

被写体とカメラの距離感と編集のリズムが絶妙で、つまりは映画としてすごく活気がありフレッシュ。橋に飛び降りていく若者を捉えてたかと思うと次の場面ではカメラは退いて、飛び込み場かと勘違いして人だかりになってしまった橋をロングショットでおさめているところ。あと口笛を吹く異常者っぽいおっさんが散歩するカットの次に彼の周りに白鳥が集まってくる場面が来たりと、とにかく画面の連鎖がマジで楽しい。

お兄ちゃんを慕う幼い弟と弟にやさしい幼い兄の兄弟が最高だなーと思ってたら彼らが感動的な登山を果たし次の冒険が始まるぞってとこで終わった。泣きました。