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静かな雨のktyのレビュー・感想・評価

静かな雨(2020年製作の映画)
4.0
こんな女の子が焼いてくれる鯛焼き屋が近所にあれば通っただろうなあ、、、と何度思ったことだろう。既視感がある街並みだと思ったら多摩丘陵。

高木正勝の優しい素朴な音色、映像に合わせて、余白というか休符の置き方がいい。感傷的になり過ぎない抑えた調べが、主役の二人にうまく寄り添っててすごくいい。
10年以上前のこの人の音楽はもっと先鋭な電子音楽だったけど老成したなあ。

主人公の上司が、でんでんだと、この人はお風呂で、あんなことしてたんじゃないかとか、こよみの担当医が古舘寛治だと、ニセ医者じゃないかとか疑ってしまう。彼らの過去の作品のインパクトが強すぎて、別のキャラと比較してしまう。

三浦透子が、『ドライブ・マイ・カー』の役が作り込んでて不自然だったのに比べると、ベレー帽が似合って自然でいい。

そして河瀬直美の存在感に圧倒された。

萩原聖人は、やめとこう、、、

衛藤美彩は、何を考えているのかわからない雰囲気が、事故で時間軸が円環ループするこよみの役にぴったりだし、
不器用に共に過ごそうと悩む仲野太賀のやりきれなさもいい。
 
本作は、絶妙なキャスティングと、不穏で抑えた劇伴と多摩丘陵、障害を抱えても二人でやっていこうとする静かな心の揺れが、いろいろな想像をさせる佳作。😊
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