えな

静かな雨のえなのレビュー・感想・評価

静かな雨(2020年製作の映画)
4.1
はじめのほうこよみさんが「しゃーしか!」と方言を使っていて笑った。
でんでんさんも出てきたから九州弁のやりとりがあるのかと期待してしまった。
(以下映画と関係ないことも含まれる)
この映画自体、闘病を描くつもりはないのだろうけど、わたしも記憶障害については似たような状態を長く続けていて少しずつ治ってきてる(と思いたい)がごまかしながら生きてるので、不思議な立場から観ることになった。「それはないわ」というところもなく、大袈裟にうちのめされることも描かれていなかったのでなんだかほっとした。記憶のないものからすると、なぜかわからない相手の不機嫌そうな顔はとても傷つく。確かめることがしづらい。記憶がないことを家族からつよく罵られたこともある。わたしの人柄のせいもあるが、映画のように周りは優しくしてくれない。じわじわと孤独になってく。最近のことは覚えてないくせに昔の嫌な思い出は鮮明に覚えている。こよみは愛されている。ユキとの出会いはギリギリセーフだったなあ。こよみという名前も深読みしてしまう。
たまたま今日、月に探査機が墜落したニュースを見た。最後のほう、たいやきをやっぱりおいしそうに食べるなあ、とぼんやり見ていたら食べ終えたとき少しわけてあげるところがあって、前と同じ幸せの繰り返しに心をつかまれた。幸せだといいですね。
えな

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