"真人間になりたいんです"
犯罪者の懺悔、ではなく
将来の夢を聞かれた女子高生がそう答える
天国の父母に手を合わせながら呟くのは
"兄妹共にクソですいません"
想ったこと、考えたことをどのくらい、
どうやって表現するか。
人によってそれは千差万別で、
だからこそ面白い。
想いを胸に収める人
ぽんぽん口から出す人
たくさん喋るけれど、実はきちんと考えて判断してる人
この映画、劇場で2回観ました。
「結婚式、止めてみませんか?」
兄の愛人に妹が提案するなんとも魅力的な予告に惹かれて
兄と妹
婚約者と愛人
それぞれがそれぞれの想いを抱えて
考えて、言葉に表したり
行動の裏に気持ちを隠したり
例えば多くを語らない婚約者が
実は複雑な心持ちであること
舞台挨拶で俳優自身が自虐的にクズと言い切る兄でさえ
惑う心が見えたり見えなかったり
きっかけは奇抜な設定
けれど、次第にひとりずつ顔を見て
彼/彼女の心境に想いを馳せる方に重心が
真人間になりたいと嘯く主人公
彼を愛してると照れもせず話す愛人
奇妙な二人の関係が心地よい
その中にちょっとしたスパイス
主人公の同級生の台湾の少女のコミカルさ、を散りばめて
観終わってみれば
事件などほんの些細なことで
それよりも彼らの
想いを湛えた表情ひとつひとつの方が
はるかに印象深い
ありふれたお話だろうと
現実離れのストーリーだろうと
最後は、その中心にある"人の想い"
…だから、面白い。