豚アーニャ

おろかものの豚アーニャのレビュー・感想・評価

おろかもの(2019年製作の映画)
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派手なアクションよりも身近な日常系の、いわゆる半径5mぐらいの邦画が好き。
というのも、見たことのある景色と登場人物が少ないことによってその人の表情、情緒、台詞回しとか、細かいところに力を注がれてるとより入り込めるような気がする。えらそうだけど。

細かい人の癖にすぐ気づく、人間観察のヨウコが、不倫してる兄の愛人にどんな人なのかと近付く話。多分人間観察をしてる人って、その人を「こんな感じなんだろうな」と一面だけ見て判断して、自分から一定の距離感を測る。窺っている姿勢が、大袈裟じゃなくて「そういう人いる」って思えた。
ミサとも嫁さんとも、最初はなんとなく同じような距離感を取ってるように見えた。人間関係一歩目みたいな。

「避けられてる?」とか
「下の名前で呼んでいいよ」
「いや名字で読みます」

多分それがヨウコの人との距離感で、会話して、自分をどう思っているのかを知って。打ち解けて2人と仲良くなっていく。ドンドン踏み込んだ人間関係になってく描き方をしてるような気がしたし、なぜか知らんけど「大人になったんだな」と思った。なぜかは知らん。大人を知っていくヨウコの成長譚だった。
豚アーニャ

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