このレビューはネタバレを含みます
恋愛で“自分を見つめて成長するもの”と“自分を偽り見失っていくもの”
対照的な二人の物語。
出会ったときの二人は似ている。
それぞれやりたいことはあるがぼんやりしている。
小山田は、
自分の撮りたいものを見つけ前に進む。
ユカは、
男が離れていくことを恐れて自分を偽る。
どちらもわかる。
特にユカのように自分を偽りたくなるのは。
自分を見つめると、自分には何も無いように思えてしまうから。
出来すぎる彼氏のそばで、自分を偽るしかなくなってしまった背景が痛々しい。
ラスト、何も無い部屋に置かれた写真。
自分的には、賞を取った写真だと思う。ユカが戻ってきた時にそれを見て“自分を取り戻してほしい”という小山田のメッセージが込められているのだと勝手に思っている。
ユカの姿はとても痛々しいが、誰にも起こりうる等身大の物語だ。傑作。