ex1987

草間彌生∞INFINITYのex1987のネタバレレビュー・内容・結末

草間彌生∞INFINITY(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

今でこそ世界的な芸術家としてその名を知られている彼女が、正当な評価を受けるようになったのはたった二十数年前のことと知り驚愕した。

10歳の頃から水玉模様の絵を描き始めた彌生。
彼女の"前衛的"な作品を受け入れられる者は当時誰もおらず、戦後間もない50年代に単身渡米。
ニューヨークで自身の作品を売り込み製作活動を続けるが、性差別や人種差別などあらゆる壁が彼女の前に立ちはだかる。
そして独創的なアイデアは数々のアーティストに盗用され、傷ついた彼女は自分自身を見失い自殺未遂を起こすようになる。
それでも自分の中にある創造力と芯の強さだけは失うことなく、帰国し入院生活を送るようになっても絵を描き続けた。
入院時期に製作した作品は、彼女の代表的なビビッドな色合いの作品から想像もつかないほど儚く悲しいものばかりであった。
彼女の作品が評価されるようになった(時代が彼女の作品に追いついた)のは90年代に入ってから、年齢はすでに60歳。
90歳になった今も、彼女は黙々と作品を創り続ける。


ドキュメンタリーですが、壮絶な生い立ちのせいか鼻をすすり泣いている観客も数名いました。
芸術だけでなく、セクシャルマイノリティや戦争への問題提起、様々な題材が織り込まれていて見応えのある作品でした。
一点、字幕が左右や下、いろいろなところに突然現れるので文字を追うことに疲れました。内容はとても良かったです。
ex1987

ex1987