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犬王のkaitomoのレビュー・感想・評価

犬王(2021年製作の映画)
3.2
京の都でロックフェス。
期待値を上げまくるような豪華な布陣。じとっとした雰囲気や映像等、前半は非常に引き込まれたが、肝心の音楽シーンがイマイチ。
琵琶×ロックな楽曲に、新鮮味・キャッチーさ・カッコ良さのどれも感じられず、全然惹かれなかった。バリエーションがもっとあれば良かったが同じような曲ばかり。こういうのやるなら、一人の感性でなく、もっと音楽担当を分厚くするべきでは。Queenのパロディも正直ダサい。歌詞が大事なはずなのにあまり聞き取らないからもっとヒップホップ寄りでも良かったかもしれない。向井秀徳辺りが参加してればなぁ…。
見せ方も、演奏している人がいたりいなかったり、いても鳴ってる音とちぐはぐだったりしてて乗りにくい。パフォーマンスも実在のロックスターやダンサーの方が迫力あるし、アニメならではの逸脱が弱い。
尺をショーに取りすぎてるので話はどうしても薄い。ホラー要素も良さそうだったのに中途半端。野木さんの脚本も本領を発揮しづらかったのだろう。
異形の存在も、異形のまま認められる方が時代にあっていて気持ち良いのでは?どんどん魅力(個性)が失われていくという流れに疑問。
古い邦画だが、ぶっ飛んでてテンション上がるジャズ時代劇「ジャズ大名」を見直したくなった。
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