たまち

犬王のたまちのレビュー・感想・評価

犬王(2021年製作の映画)
3.5

・犬王は何のために舞い続けたのだろうか。どこかで友有も弾いていると600年間信じ続けていたのだろうか。
結局友魚の呪いを最期に自分に課す友有と、呪いさえも味方にしてしまう犬王、対照的な2人。


・眼が見えない友魚の目線で声が聴こえると橙が形作られる…とかのアニメならでは表現が面白い。
・ただ、初見では表現が先行してしまいストーリーを味わい切れなかったの感がある。ああ、MJの動きをさせたいのかな…バトンをトレースしてるのかな…とか、考えてしまう。
・日蝕で月が徐々に重なるのが木漏れ日でわかり、眩しいので扇子越しに見る…というのが風雅な表現だった。


・さすが和製MARKの森山未來、なんて… アニメは理想美を描くものと思っていたから、作画を崩すような表現に驚いた。
・犬王には確かに、アヴちゃんのようなカリスマ性ありきな人物。とにかく歌がものすごく、踊るように自由に音域行き来するし、常に面白そうな調子の声が似合う。素顔がジョーカーなのちょっと笑っちゃった。
・義光は結局犬王の名前だけ欲しくて、犬王の舞の妙を解さなかったのだろうか。

・浄瑠璃のような歌かと思いきや、意外と抽象的。平家供養のため、もう少し個人のストーリーに踏み込んで欲しかった!
たまち

たまち