原題は「King Richard」。ウイリアムズ姉妹を育てた父親の名前となっていますが、母親を含めた家族の物語であり、邦題「ドリーム・プラン」の方が作品を的確に表現しています。父親が娘をトッププレーヤーに育てたというとスポ根モノを想像しますが、真逆の見事な教育論作品。テニスの上達よりも勉学や人格形成を優先する教育方針と信念を貫く人生哲学は正に感動的。ウイリアムズ姉妹が40歳を超えてもトッププレイヤーとして活躍している理由が判った気がします。また、ウイリアムズ姉妹が自ら監修しただけあって、テニスのプレーシーンは迫力満点で、実際のプロのプレーを観ている様です。「アカデミー賞最有力」との謳い文句の作品に秀作無しの法則がありますが、この作品のキャッチフレーズである「アカデミー賞受賞確実」は、ウィル・スミスの主演男優賞は確かに間違い無く、作品賞受賞も狙える秀作です。
