フネタロウ

ドリームプランのフネタロウのレビュー・感想・評価

ドリームプラン(2021年製作の映画)
3.0
毒親スレスレの傲慢な父親の物語かと思ったら、自分の恐怖と向かいあって全力で回避プランニングを立てる綿密な臆病者の物語だった。

父親は子供たちに謙虚になれと繰り返すが、お前はどうなんだと何度もイライラする。しかし、よいタイミングで母親がブチ切れてくれるので抑えられる。普通はついていけないよね。
でも、何かを成し遂げる人というのはこういうものなのかもしれない。
なんだかんだ最後にやり遂げるのは子供本人で、試合が始まれば親も声もかけられない。

報道にやたら横柄な態度をとるのも、自分に注目が集まれば選手の子供は「毒親に管理される可哀想な選手」として、同情で批判が回避されるためなのか。

成果をあげれば、ちゃんとスポットライトは選手を照らす。トレーニング時にはうざいほど絡む父親なのに、歓声の真ん中には決して立たない。子離れできていない、支配したい人ではないのだと感じられた。