Ya映画鑑賞

生きるのYa映画鑑賞のネタバレレビュー・内容・結末

生きる(1952年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

2022.61 *148

過去の自分への反逆。
総じて、俳優、特に志村喬の演技が素晴らしい。
観終わったあと、あたたかく切ない気持ちになりました。

序盤
命短し、を歌うシーンがすごい。
踊りをやめる客→歌う渡辺→渡辺のクローズアップ、と展開するのだが、この最後のクローズアップの長回しが良い。最高度の感情移入。

中盤
・何事も本気で楽しみ一生懸命に生き、退屈な役所勤めにも同僚にあだ名をつけて楽しみを見出していた、自分とは対象的な生き様の、若い女性。
・「まだ遅くはない。やる気さえあれば。」
 ずっと定点長回しだったカメラが動き出し、躍動感と共に音楽が流れる。

終盤(葬式パート)
・葬式と回想が交互に。
 葬式:カメラは定点から、ドキュメンタリーのように冷静、冷めた視点で役人を捉える
 回想:劇映画的に、カメラは渡辺を追いかけて動く

その分、葬式場面でカメラが動き出す場は必見。

・助役派VS渡辺派→渡辺への同情、誤解の解決、賞賛→やる気、勇気をもらう。このもっていき方。脚本がいいなあ。

ラスト
黒澤の役人への嫌悪感。
ブランコ。
後味の良い終わり方。なんとも言えない。



その他
・雨の中の視察


東宝創立20周年記念
製作 本木荘二郎
脚本 黒澤明、橋本忍、小國秀雄
撮影 中井朝一
美術 松山崇
照明 森茂
音楽 早坂文雄
Ya映画鑑賞

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