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生きるのスケッチのレビュー・感想・評価

生きる(1952年製作の映画)
3.6
渡辺さんの静かな、静かな熱狂。

冒頭のナレーションで「この男は時間を潰しているだけだ」と言われていた渡辺さん、何をしても楽しそうじゃなかった彼が、自ら手掛けた公園で歌いながらブランコを漕いでるシーンが印象的だった。

劇中にBGMがほとんどない中で、渡辺さんの変化をレストランに居合わせた他のグループのバースデーソングで演出していたのが面白かった。

葬式の場面で、誰もが渡辺さんの尽力のお陰だと感じていながらも、渡辺さんの功績を肯定することが、同僚たち自らを否定することをなるのが皮肉。

最後、新しい課長が土木課に仕事を回す場面など、70年前に公開させた映画とは思えないほど現在の役所の体制に通ずるところがあり驚くと共にやるせない気持ちになった。
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