このレビューはネタバレを含みます
正直今までのピクサー作品の中ではかなり異色だと思う。インサイドヘッドもかなり大人向けだと思ったが、今作のほうがより大人向けというか。しかし本当に素晴らしい映画だった。
生まれる前に性格も生きる意味も全て決まるという話が出来た時、え?それって自由なくないか?なんだかな…って正直思った。しかし話が進むにつれてそうではないとわかってくる。生まれた時に全て決まってて後はそれにそって生きてくだけなんて、生きる意味がどうこうなんてそんな簡単な話ではない。実は残酷なまでに正しく動くシステムの中でもがくしかない。でも美しい世界の中でもごくことは尊いことなのかも。
ドラマチックなストーリーとか、絶景とか映画の中で感動するのってそういう壮大なというか大きなものが多いと思う。でもこの映画では日常の何気ない全てが感動的に見えてくる。今まで確かに目の前にあったのもが美しく見える。そのレベルにまで日常を、平凡な人生を引き上げた映画的マジックが凄まじい。
いわゆる教科書にのるような手堅い作りの名作とは言い難いとは思うけど、変なバランスなんだけどなんだか凄く好きなんだよなーって何年も心に残る作品だと思う。ピクサー恐るべし