Maki

ソウルフル・ワールドのMakiのレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
3.9
リメンバーミーで"死後の世界"を描いたピクサーが、今度は"生前の世界"を通じて「生きることとは何か?」という永遠の命題に対し、壮大なアニメーションと綿密な脚本を通じて描き切った作品。完全に大人向け。

人生に目的などなくても良い、何気ない日々の一つ一つがきらめきであり、それこそが生きることであるという哲学的なメッセージをきちんとエンタメとして昇華しているのが素敵だった。押し付けがましくなく、心にスッと染み渡る。

学生時代は毎日が変化の連続だったけど、社会人になってから代わり映えの無い日々を過ごし、自分の生きる目的や夢がわからなくなった大人たちこそ見るべき作品。

日常のきらめきに気づいた瞬間の、木漏れ日がゆらめいているシーンが本当に好き。美しい。
立派な夢や目標を成し遂げなくとも、自分にとっての心が動く瞬間を抱きしめていきたいと思える作品。22番の地上での人生をあえて描かないのも粋。回想シーンでボロボロに泣いた。
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