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ソウルフル・ワールドのcheeeezmのレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
3.5
2021.49作目。


個性や出自はどうしようもなくとも、生きる意味は生まれてから。生まれることは、平等だよ。

優しい物語だった、とにかく。人生を何度もやり直すことで、一瞬を愛おしく思うようになる、という意味では、「アバウトタイム」にちょっと似ている。やっぱりこういうテーマは、晴れやかな気持ちになれるね。
なんだろうね……うまく言葉にできない。映画を観るとき、大体は印象に残った台詞を覚えているのだけれど、この映画を観終わった今は感情しか残っていない気がする。あたたかくてせつなくて。そしてちょっと前向きになれている。不思議だなぁ。

なんで生まれてきたんだろう、って何度も恨んできたし、紛いなりにも音楽の道を進んできた者としては、冒頭の母親とジョーの会話はしんどかった。そりゃあ音楽関係になれればいいけど……教師をそれとして数えるのは、あまりにもやるせない。
けれど今思うと、あれは本質ではなかった気がする。音楽的側面からの本質は、ドロシアの言う、「魚が海を見たいと言った。そこが海だよ、と言えば、これは水だと言った」という部分かなとは思う。
もうひとつの側面は、ちょっと莫大になっちゃうけど人生なのかな。生まれた意味を語れるほど、私は夢を追えてないし、自分を愛せてもいない。でも今この作品を観られて良かったよ。

ワインが合う。

ただED後の最後のはちょっと萎えた。
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