なみこ

ソウルフル・ワールドのなみこのネタバレレビュー・内容・結末

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

リメンバーミーと同タイミングで観たことで、特に死生観の対比が印象に残った。ひとつひとつ魅力を挙げてくときりがない!

まず全体的にまとまりが良い。アメリカはニューヨークという土地柄に対する物質主義的なイメージ、もののあはれの感性、輪廻転生という仏教的コスモロジー、、この映画を構成する要素ひとつひとつは一見親和性がないように思える。その違和感を、jazzを中心に据えることでうまくまとめているなと。

そしてキャラデザや音楽の良さはさすがピクサー、愛らしくもあり洗練されてもいて、子供も大人もとても楽しめるのでは。個人的に魂を導く者たちが極めて抽象的な「線」であらわされているところなんて、センスを感じてゾクゾク。市川春子の短編でも似たような描写があったけどインスパイア?

また、生きる準備ができたとき、胸にバッヂが宿るのも良い。
22番が見つけたjazzingは、一瞬一瞬のきらめきを捉える心、私という宇宙。人生は、外にあるpurposeではなく心のうちにあるsparklingそのもの。生まれたときすでに私は私として完成されていて、私を通して宇宙を愉しむことこそが人生だと。


仮想敵をつくり、目的、つまるところ大義を作り出して争いを生むことで巨大化したアメリカにおいて、この映画が生まれたということが、本当に嬉しい。観てよかったー
なみこ

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