シネマスカイウォーカー

ソウルフル・ワールドのシネマスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
4.1
ピクサー58作目。長編23作目。
原題:『Soul』

中学校で音楽の非常勤講師を勤めながらジャズピアニストとして成功することを夢見る主人公ジョー。彼はある日、現在ジャズドラマーとして活躍する教え子から連絡を受ける。それはドロシアウィリアムズというジャズミュージシャンからのオファーであった。ドロシアに腕を見込まれて有頂天となったジョーはマンホールに転落、そのまま命を落としてしまう。チャンスを掴んだ瞬間に命を落としてしまったことを受け入れられずソウルワールドを彷徨うジョーは22番というソウルと出会う。生者の世界に頑なに行こうとしない22番とどうしても生き返りたいジョーはソウルワールドで取引をするのであった....

ピクサー初のDisney+配信の長編映画となった1作。これ以上あるのかと言うくらいの超ハイクオリティなニューヨークとソウルの世界を股にかける。人生における輝きとは何か?何のために生まれるのか?夢を追い続けること、そんなちょっぴり大人なテーマ性がジャズと共に堪能できる上品な作品に仕上がっていた。ブラックミュージック繋がりでソウルミュージックを押しても個人的には良かった気もする。とにかく音楽のシーンが良く出来ていた。ピアノを弾く滑らかな指捌きや質感、そして奏でる躍動感の全てが最高に心地の良い映像になっていた。

今作での映像革新はやはり光の当たり方とその「質感」の表現だと思う。人の手の質感や陽の光が微かに当たるコントラバスの艶の感じなどなど本当によく出来ている。『トイ・ストーリー4』では風景としての取り入れていたもののメインのおもちゃのデフォルメ感から活かしきれていなかった技術を今回存分に発揮できていたように思える。ピアノの演奏など人間の滑らかな動きを上手く表現出来ていたのも素晴らしかった。デフォルメする所はしっかりするピクサーらしさ、メリハリもあり本当によく出来た1作だったと思う。ジェイミー・フォックスのジョーもハマり役だった。