フェチと変態的な趣向の境界線みたいな所を突いた短編。確かに短くてセンセーショナルな雰囲気は有るけど、あまりメッセージはない。
芋生悠のポテンシャルを知るにはもってこいな作品。純真な高校生とフェチを超えた域にいる恍惚さの2面性が存分に発揮されていて、そこに結構引っぱってもらえた感じはある。とは言え、短編でインパクトを付けるなら…と焦燥したようなシナリオは、パタパタと舞台上の枠組みを良からぬ方へ壊してしまった印象。そこまでしなくても…というのが勝った。
率直に着眼点は面白く、性的嗜好はどう芽生えるか分からない人間の本能的な要素を突く作品だったことは間違いない。