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眠りに生きる子供たちのRIOのレビュー・感想・評価

眠りに生きる子供たち(2019年製作の映画)
3.7
過酷な現実を遠ざけて
目を覚ませば優しい世界になるのを夢の中で待っている

特にスウェーデンで多く報告されている*Resignation Syndrome レジグネーション症候群*と呼ばれる現象
身体的には健康で周囲に対して数ヶ月から数年にわたり完全無反応状態のまま
この症候群は主に難民の子供たちに見られる無反応の状態になるというもの

2000年代初頭からスウェーデンで起こり過去には主に旧ソビエト圏や中東からの難民の子供たちに出た症状

恐怖やトラウマあるいは不安定な移住状況に直面している子供たちが精神的なストレスに圧倒され自らを守るために現れる形
レジグネーション症候群の原因は解明されていないらしいけど妹の次は姉がベッドから起き上がることができなくなるというのを見て

メディアで自殺や犯罪について報道されると それに触発されて同様の行動を取る人が増える現象のウェルテル効果
自殺に関する報道が過度に注目されると同じ地域で自殺率が上がるという統計もある
あとパパゲーノ効果で自殺や犯罪に関する報道を控えたり報道する際に慎重な言葉遣いや内容にする自殺報道のガイドラインを導入してセーショナルな報道を避ける オーストリアでは率が減少したというもの
メディアや目にしたり聞いたりすること個人の行動による心理的影響が関係しているとも思えた

でも親の心理状態が落ち着いてくることで回復してくるケースがあるそうで目は開いていないのに感じている子供の心があるんだなと感じる
でも やっと目覚めた子供は眠っていたことは まるで覚えていない
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